次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いとは
「次亜塩素酸ナトリウム」と最近にわかに話題になっている「次亜塩素酸水」。
名前はとても似てますし、ともすれば「次亜塩素酸ナトリウムの略称が次亜塩素酸水」などの誤解まで生まれています。
結論から言うと、両者はまったく別物です。ただ、ともに噴霧はNG(掃除のために霧吹きに入れて吹き付けるのもダメ)ですので使用する上では注意が必要です。
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素水は別物
しょうがとみょうが、ラー油とラード、カメラとガメラくらいまったく違います。
次亜塩素酸ナトリウム溶液は、家庭では「ハイター」が一番馴染み深いと思います。我々保育業界の人間にとっては「ピューラックス」や「ミルトン」を日常的に使用しているのではないでしょうか。
次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんナトリウム、sodium hypochlorite)は次亜塩素酸のナトリウム塩である。化学式は NaClO で、次亜塩素酸ソーダとも呼ばれる。希釈された水溶液はアンチホルミンとも呼ばれる。水溶液はアルカリ性を示す。
水酸化ナトリウムの水溶液に塩素を通じて得られる。物質は不安定なため、水溶液として貯蔵、使用される。水溶液は安定で長期保存が可能だが、時間と共に自然分解し酸素を放って塩化ナトリウム水溶液(食塩水)に変化していく。また、不均化も発生する。高濃度の状態ほど分解しやすく、低濃度になると分解しにくくなる。高温や紫外線で分解が加速するため、常温保存では濃度維持が出来ない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E4%BA%9C%E5%A1%A9%E7%B4%A0%E9%85%B8%E3%83%8A%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0
次亜塩素酸水は、最近注目され商品化され始めたものでその実態があまりつかめていない方も多いと思います。
次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)は、2002年食品添加物(殺菌料)に指定された(2012年改訂)、10~80ppmの有効塩素濃度を持つ酸性電解水に付けられた名称である。[1][2]
安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのないということで、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用が認められた。食品添加物は第9版食品添加物公定書により、製造の基準、成分の規格、品質確保の方法が定められている。[3][4](第9版食品添加物公定書(2018年廣川書店)「次亜塩素酸水」D-634~635参照、第9版食品添加物公定書解説書(2019年、廣川書店):「次亜塩素酸水」D-981頁 参照。)
即ち、塩酸 (HCl)または塩化ナトリウム (NaCl)水溶液を電気分解することにより得られる水溶液であり、本品には、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水、および微酸性次亜塩素酸水がある[5][6]。 食品添加物(殺菌料)「次亜塩素酸水」を生成するためには、専用の装置が必要であり、装置の規格基準はJIS B 8701として2017年10月に制定された[7]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E4%BA%9C%E5%A1%A9%E7%B4%A0%E9%85%B8%E6%B0%B4
なにやら難しく書いてありますが、使用上の注意点だけ以下のとおりご案内します。
次亜塩素酸水使用上の注意点
- 空中への噴霧はNG(健康面での安全性が立証されていないため)
→補足:コロナ対策として空中噴霧は愚の骨頂です。コロナの感染は「接触感染」「飛沫感染」がほとんど(一部エアロゾル感染も)なので、
空気中にコロナウイルスが漂っていることはまずあり得ません。それに対して空中噴霧したところでさしたる効果は得られません。
- 製品ごとに用法用量を守る
次亜塩素酸ナトリウム水溶液使用上の注意点
- 噴霧は絶対にNG(肺に致命的なダメージが蓄積されていきます。最近でも中国で問題になりました)
- 希釈濃度に注意する(製品ごとに濃度が異なりますので希釈度合いに気をつけましょう。)
- 刺激臭が強い(いわゆる塩素のにおい、プールのにおいというと想像がつくかもしれません)
- 強い漂白作用がある
※原液に触れたらただちに洗い流してください。手がヌルヌルする感触がありますが、それは皮膚が溶けているからです。それほどまでに強力な成分であることをご認識ください。
手洗い、清掃、換気に勝るコロナ対策はなし
人類がいまだに出会ったことのないウイルスと戦っているわけですから、必ずしも正しい情報だけが出回るわけではありませんし、むしろ眉唾な(時には意図的に悪徳商法を絡めた)情報が出回ります。
あやふやな情報に踊らされて、コロナとは別の健康被害が出ては元も子もありません。
コロナへの対策としては、ウイルスを付着させないこととエアロゾルで空中浮遊させないことが大事ですので、
手洗い(流水で30秒以上の手洗いはアルコール消毒するのと同様の効果を得られると言われています)とこまめな清掃(特に多くの人が触る箇所、ドアノブや電気のスイッチなど)、そして換気が最も有効です。
普段からただでさえ感染症が蔓延しやすい保育園では、このような対策はルーティーンとして行っていますが、特にこの時期は清掃、換気により一層磨きをかけていることでしょう。
現状特効薬はないですので、地味ですが地道な努力でコロナに打ち勝ちましょう!
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